「自分の家系図を作ってみたい」
そう思ったとき、最初に何をすればいいのでしょうか。
いきなり役所に行って戸籍を集め始めるのも一つの方法ですが、私はその前に、身近な家族から話を聞いておくことをおすすめします。
戸籍には、名前や生年月日、婚姻、出生、死亡など、家族関係をたどるための大切な情報が記録されています。
でも、戸籍に書かれていることだけでは分からないこともたくさんあります。
だからこそ、家系図作りは「戸籍を集めること」からではなく、身近なところから始めてみると面白いのです。
まずは、自分の知っている家族を書いてみる
最初から何代も前まで調べようとする必要はありません。
紙でもノートでも構いません。
まずは、
- 自分
- 父母
- 祖父母
- 曾祖父母
など、自分が知っている範囲の家族を書いてみます。
名前だけでも構いません。
「祖父は○○県の人だった」
「祖母の実家は○○という場所だった」
「父から、昔は○○という仕事をしていたと聞いた」
そんな断片的な記憶も、一緒に書き留めておきます。
この段階では、正確でなくても大丈夫です。
むしろ、
「そういえば、祖父のことをあまり知らないな」
「母の実家はどこだったんだろう」
という疑問が出てくることが、家系図作りの第一歩になります。
次に、家族に話を聞いてみる
もし、ご両親や祖父母など、昔のことを知っている方がいらっしゃるなら、ぜひ話を聞いてみてください。
聞いておきたいのは、必ずしも「何年に生まれた」というような情報だけではありません。
例えば、
「昔はどこに住んでいたの?」
「どんな仕事をしていたの?」
「兄弟は何人いたの?」
「昔の家はどこにあったの?」
「親戚はどこに住んでいたの?」
「子どもの頃はどんな暮らしだった?」
そんな何気ない質問から、思いがけない話が出てくることがあります。
そして、その話の中に、戸籍だけでは分からない家族の歴史が隠れていることがあります。
写真や古い手紙も手がかりになります
家系図を作るときは、戸籍だけに目を向けなくても大丈夫です。
家の中に残っているものも、大切な資料になります。
例えば、
- 昔の写真
- 古い手紙
- 年賀状
- アルバム
- 古い住所録
- 賞状や表彰状
- 古い日記
- 家に残っている古文書や書類
などです。
写真の裏に書かれた名前や日付から、知らなかった親族が分かることもあります。
「これは誰の写真?」
と家族に尋ねることで、そこから昔の話が始まることもあります。
そのあとで、戸籍をたどっていく
ある程度、自分の家族について分かったところで、今度は戸籍を確認していきます。
戸籍には、現在の家族関係だけではなく、過去の戸籍に移るための手がかりが記載されています。
一つの戸籍から、さらに前の戸籍へ。
そこから、またその前へ。
そうやって順番にたどっていくことで、自分から親、祖父母、さらにその前の世代へと、少しずつ家系をさかのぼっていくことができます。
最初は名前しか知らなかった人が、戸籍をたどることで「確かに自分につながっている人」として見えてくる。
この過程が、家系図作りの面白いところでもあります。
「何代前まで分かる?」とよく聞かれます
家系図を作ろうと思うと、
「いったい何代前まで分かるんだろう?」
と気になる方も多いと思います。
これについては、すべての家系で同じではありません。
残されている戸籍の種類や保存状況、改製された時期などによって、たどれる範囲は変わります。
また、戸籍をたどった先には、さらに戸籍だけでは分からない歴史が残されている場合もあります。
そのため、家系図作りは「○代まで」と最初から決めるというより、
まずは自分の家系をたどってみて、どこまで分かるのかを確認していく。
そんな進め方でもいいと思います。
家系図作りは、調べることだけではありません
家系図を作っていると、途中で思わぬ発見に出会うことがあります。
知らなかった兄弟がいた。
昔の住所が今とは全く違っていた。
先祖が思っていたより遠くの土地から移ってきていた。
そんな発見もあれば、逆に、調べても分からないこともあります。
でも、それも含めて家族の歴史なのだと思います。
すべてを明らかにすることだけが、家系図を作る目的ではありません。
調べることで、
「この人はどんな人生を送ったんだろう」
「この家族は、どんな時代を生きていたんだろう」
と想像する。
そして、自分の知らなかった家族の存在に思いを巡らせる。
そんな時間そのものにも、意味があるのではないでしょうか。
家系図を作ってみたいと思ったら
まずは難しく考えず、紙に自分と両親、祖父母を書いてみてください。
そして、分かるところから名前や生まれた場所などを書き足してみる。
分からないところがあれば、
「ここはどうなっているんだろう?」
と疑問を残しておく。
その疑問が、次に調べる場所を教えてくれます。
家系図は、最初から完成形を目指す必要はありません。
分からなかったことを一つずつ調べていくことで、少しずつ形になっていきます。
そして気がつけば、名前だけだった人たちが一本の線でつながり、自分まで続いている。
その先には、まだ知らない家族の物語があるかもしれません。
「少し調べてみようかな」
そう思ったところから、家系図作りを始めてみてはいかがでしょうか。

